コンセプトは「国産杉材の有効活用」
自社工場の新設で実現した国産杉のウッドブラインド

「スギシリーズ ウッドブラインド」施工例
「スギシリーズ ウッドブラインド」施工例

 日本のウッドブラインド市場のパイオニアであるナニックジャパン(株)(甘露寺信房社長)は、「国産杉材の有効活用」をコンセプトに国産杉の無垢材を100%スラットに使用した「スギシリーズ ウッドブラインド」を2023年4月に発売、デザイン性・品質の高さはもとよりSDGsの観点からも注目を集めるなど、ディベロッパー、ゼネコン、ハウジングメーカー、さらには地方自治体など多くの引き合いを受けている。

■日本には豊富な森林資源があるものの活用されていない

 日本の国土の総面積3799万ヘクタールの約3分の2に当たる2500万ヘクタールが森林で、国土における森林率は先進国の中でフィンランドに次ぐ世界第2位である。その森林の約40%が人工林(育成林)で、さらにその約45%の450万ヘクタールが杉の林になっている。これは東京都の約2倍に匹敵する面積である。

豊富な森林資源
豊富な森林資源

 これだけの森林資源があるにも関わらず、日本の林業は海外の安価な木材に押されて衰退の一途をたどっている。建築資材の多くは輸入材が使用され、ウッドブラインドについてもほとんどが輸入材(中国・ベトナム等)に頼っているのが現状だ。

■那須工場を新設し国産杉の「スギシリーズ ウッドブラインド」開発

 ナニックジャパンは、この日本の豊富な森林資源を活用すべく10年以上前から研究を重ねてきた。しかしながら、やはり日本の林業の状態では大量に材料が確保できず、また技術は高いものの製材から乾燥に至る過程での生産性が低いため、コストが相当に割高になってしまい、工業製品として安定的に供給できる見通しは立たなかった。

那須工場

 そこでナニックジャパンは木材の製材や加工の内製化を決断、2022年5月に那須工場を新設した。丸太の皮を剥き角材に製材するところまでは提携した製材所に依頼し、そこから薄い板に加工し塗装してスラットに仕上げていく最終工程を那須工場で行うという仕組みを構築し、国産杉材のウッドブラインド「スギシリーズ ウッドブラインド」をつくりあげたのである。

「スギシリーズ ウッドブラインド」は、ウッドブラインド専門メーカーとして長年培ったノウハウ・技術により柾目の杉材を上質なスラットに仕上げている。

 スラット幅は50ミリ。カラーは8色。特注色にも対応する。製作単位は1ミリから。電動操作にも対応する。

スギシリーズ ウッドブラインド

8色展開

■日本の林業支援、地球温暖化防止、地産地消などSDGsな製品

地球温暖化防止にも貢献

 国産杉材を活用することで、日本の林業への支援にもつながる他、木材を輸入するためのエネルギーを消費せず、かつ木材は苗木を植林し成長の過程でCO2を吸収するため地球温暖化防止にも貢献する。

 また「スギシリーズ ウッドブラインド」は、基本的には那須工場の地元である栃木県産の木材を用いて製造しているが、ユーザーの地元の木材を活用して製造する
「地産地消」にも対応している。まさにSDGsな製品といえるだろう。

ナニックジャパンのホームページ
https://www.nanik.co.jp