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越川:会期中、ずっと雨だった今年のデコオフ。そんな中でも世界のトップエディターがパリ市内のそれぞれのショールームで一斉に展示をするイベントは、今年も100ブランド近く集まって華やかに開催されました。
先ずは右岸エリア、地元フランスのピエールフレイから見ていきましょう。

ヒデキ:毎年独自のトレンドを見せてくれるピエールフレイのウインドは、ネイティブアメリカンのイメージでまとめたコレクション「ARAPAHOS」でデコレーションされていました。昨年、アメリカを旅してインスパイアーされたデザインの様で、昨年の中南米のトレンドは今年も続いているのだけど、少しずらしたところがフレイらしいね。写真1、写真2

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越川:今年フレイは面白い試みをしていて、パリの美術学校の学生にコンペをして、選ばれた4人の学生のデザインを実際に製品化しているんですよね。これもその一つでインディアンの一つの部族を描いているのだけど、独特の描き方で面白い上に、刺繍だから上質でもある。ハイムトレンドの「Perfect Imperfection」の思想が入っている所も良いですね。写真3

ヒデキ:「Perfect Imperfection」と言えば、このカーテンもビビッときました。刷毛で描いた様なダイナミックなジャガード。モダン使いも良いけど、今年はエレガンスで、あえて少し外して使っていくと良いんじゃないかな。写真4

越川:続いてはドイツのJABグループ。今年は「アラウンドザワールド」をテーマに、モロッコや中国・日本などの東洋、アメリカのハンプトンや中南米などのそれぞれの特徴的なデザインを展開していました。中でもこの虎のクロスは、面白いですよね。グッチも虎の柄を使っているし、シノワズリーも今年はこってり目が良さそうです。写真5

ヒデキ:グランテッツァのこのディスプレイも今を感じたよね。去年までならむせる位のごってり感は正直手に負えなかったけど、今年は「いけそうな気がする~♪」(笑) この位のごってり感に慣れてきたのもあるけど、エイジングをかけたようなこのゴールドが使いやすくしてくれているんだろうね。写真6

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越川:続いてはスイスのクリスチャンフィッシュバッハ。今年は日本語の名前が多く付いていて、カーテンの目玉は「コトリ」。トロピカルな雰囲気がするけど、日本の草木や鳥をモチーフにしていて、横取りだから余白があるというのも使いやすいんですよね。写真7

ヒデキ:フィスバのトピックと言えば、WALLPAPERをはじめたことだね。これでベッドリネン、カーテン、ラグと合わせてトータルのデコができるようになりました。このディスプレイの手前のグリーンのベルエポック柄と奥の小鳥柄の組み合わせは絶妙だよね。深いグリーンの壁にサーモンピンクのクッションの合わせも流石、参考になるね。写真8

越川:今年25周年を迎えるポルトガルのアルデコ。モダンでトレンド感満載のブランドなんだけど、今年はブラジルのトロピカルを中心にニューコレクションを展開していました。中でもボクはこれにくぎ付け!カットベルベットにプリントを乗せた生地なんだけど、インディアンの羽根っぽくも見えるし変形シェブロンだし、トレンド感が溢れていて魅力的。カットベルベットも、また増えてきましたね。写真9

ヒデキ:去年からリバイバルの兆しがあったよね。簡単に仕上がるデジタルプリントに比べ、手間がかかって凹凸感のある物に嗜好が向いてきたんだよね。
このベルベットプリントも良かったよね。アールデコ風のジオメトリックが上質なベルベットにプリントされていて、特にグリーンに黒でアクセントをとっている所が今っぽい。エレガンスにもモダンにも使えるよね。写真10

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越川:今年のバウマン良かったですね。先ずはこれ。レースに余白を残しつつモダンな柄をプリントするというのは得意とするところなのだけど、程々モダンで程々エレガント、それでちょうど良いトロピカルでちょうど良い透け感。ヒットの予感しかしないな~。写真11

ヒデキ:今年のトレンドの一つ、メッシュをバウマンが作るとこうなるんだよね。ニットで編みこんまれてるんだけど、スポーツシューズの様に六角形に成形されててスポーティーでモダン、その上にツイードを思わせるようなカラフルなプリントでひと手間加えてて、しかも防炎と来てるからバウマンらしいだよね。写真12

越川:ハーレクインからはこれ。年々ラグジュアリー路線が増えてきているのだけど、これは大胆なジオメトリックでありつつ、ミネラル感もあって、今風のラグジュアリーを作るのに重宝しそう。写真13

ヒデキ:姉妹ブランドのSionいつも感心するんだよね。毎年トレンド感のあるデザインやモチーフをまるで無作為に集めたかのように選び、Sionらしいオリジナルなデザインに仕上げ、しかもそれをミックスしてコーディネートできちゃう所に感動しちゃうんだよ。写真14

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越川:今年はトレンドのサボテンまであったし、凄くクイックにデザインしているのが伝わりますよね。
それから地元フランスのルリエーブル、今年は南フランス、コートダジュールからイタリアにかけての海岸、RIVIERAをフィーチャーし、上質な南国リゾートの豊かさを表現していました。写真15

ヒデキ:RIVIERA辺りは、ヨーロッパのラグジュアリーのお手本地域なので、南国感も手伝って、あちこちでフューチャーされているんだよね。
同ブランドからコレクションを展開しているファッションデザイナー、ジャンポールゴルチエは、日本びいきらしく、今年も日本デザイン満載のデザインを展開していました。この桜の生地も遠近感のある写真の様なジャガードで、このごってり感が今年っぽいしゴルチエっぽい。写真16

越川:桜の柄は数多くあるけど、一目でゴルチエとわかるデザインというのが凄いですよね。
そらからカサマンスからはこれ。今年は去年よりも増して中南米のデザインが多かったのだけど、カサマンスのニューコレクションも「HABANA」。色も柄も良いんだけど、何よりこのトータルで醸し出す雰囲気が良いんです。写真17

ヒデキ:昨年あたりからテクスチャー感(凸凹感)がトレンドに挙がっていたのだけど、その流れを受けてSAHCOでもこのシャネルツイード。写真18

写真17 写真18
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越川:SAHCOは新たに女性デザイナーを迎えた事もあって、全体的に女性的なデザインが目についたのだけど、なかでもこのシャネルツイードは、あちこちのブランドで本当に良く見られましたね。

ヒデキ:デザイナーズギルドでは、得意のグラデーションのマルチカラーバージョンを新作で加えていました。相変わらずの明るくポジティブな色使いは他のどのブランドにも無いので、売れるんじゃないかな?。写真19

越川:ギルドの麻の生地は、ウォッシュがかかっていて質感も良いし伸縮も少ないから、デザインもさることながらベースも良いんですよね。

ヒデキ:ヴェネチアのルベリもアジアを感じさせてくれるボタニカルデザインで椅子を張ってたよね。今年はシノワズリーを感じさせる生地やコーディネートがいろいろな所で見れたのだけど、ジャガードではここのが別格だったな~。赤の上にゴールドが品良く乗っているところがミソなんだよ。写真20

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越川:今年は赤とゴールドを上手く使っていきたいですね。
それから同じくイタリアの高級ブランドのブローシェ。エルメスなどの高級ブランドに生地を提供しているブランドなのだけど、今年はトレンドのサボテン推しで。あちこちでサボテンが見られたけど、さすがに品が良かったですね。写真21

ヒデキ:もう一つのイタリアの高級ブランド、デダールでは、古代の洞窟壁画から抜け出たようなデザインで刺繍されたこの生地に目がとまりましたが、モチーフはアメリカのタイガーマウンテン。去年までこの手のデザインはアフリカだったのだけど、アメリカって言うのが今年なんだよね。写真22

越川:タイのジムトンプソンは、今年は日本からインスパイアーされたデザインもラインナップ。注目はこの「サガノ」という生地。3m丈のパネル売りの生地なのだけど、純粋な日本デザインとも違うオリエンタルテイストで、名前を聞いたら京都っぽくも思えるし・・・、位の日本感がちょうど良い感じです。写真23

ヒデキ:同グループのNo,9(ナンバーナイン)コレクションでは、トルコからギリシャにかけてのイメージでデザインされたコレクションが発表されました。EU離脱騒動からしばらく名前が出てこなかったギリシャですが、建築の始まりの国だけあって、デザインのポテンシャルも高く、古代建築の壁画をモチーフにしたこのアカンサスのデザインも魅力的だよね。写真24

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越川:独創的なデザインとテクニックで異彩を放っているスイスのヤコブシュレイファー。マークジェイコブスやヴィヴィアンウエストウッドなどの服地を作っているかなり尖ったブランドなのだけど、今年のこの壁紙もすごくインパクトありましたよね。ボタニカル柄の中でもこれだけ鮮明で強烈なプリントは他に無くて、圧倒的なカッコよさ。さすがですよね。写真25

ヒデキ:クロスつながりで、昨年アフリカサファリ系デザインの火付け役となったコール&サン。今年は北アフリカのモロッコデザインをフューチャーしていました。このクロスを貼るだけでリヤドの中庭にトリップしちゃうくらいの完成度。モロッコタイルのブルーとトレンドのRechargeのブルーが上手くリンクしている所が流石だね。写真26

越川:いつも最先端を走っているイメージですよね。それとボクはこれも気になりました。リアルな立体感もさることながら、ヴィンテージ感と重量感が絶妙で、存在感もタップリ。どこかに使いたいクロスの一つです。写真27

ヒデキ:アメリカの高級ブランド、THIBAUT(ティボー)は、シノワズリーのデザインで困るといつもここに駆け込むブランドなんだけど、今年も新作「GREENWOOD」コレクションの中に、新しいシノワズリーが発表されていました。今年は色々なブランドがシノワズリーをピックしていて、この波は続きそうだね。写真28

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越川:パリのギャラリーラファイエットのラウンジにもここのクロスが貼られてましたよね。ティボーは他にもアメリカのハンプトンがコレクション名になっていたり、独自の世界観の中にトレンド感が散りばめられていて、見どころが多かったですね。

ヒデキ:毎年トレンド感を感じさせてくれるディスプレイのガストンダニエラも、ナバホ(アメリカ南部の先住民の部族)、19世紀、シノワなどのキーワードで新作を発表していました。この何でもない静止画のプリントも良く見ると中華陶器だったり、額縁も中華系で、シノワズリなんだよね。この位のほのかなシノワズリが実はコーディネートが難しいと思うんだけど、チャレンジしたいんだよね。写真29

越川:ガストンダニエラは6冊新コレクションを出しただけあって、トレンドを網羅している感が面白かったですね。毎年ディスプレイが独特で、今年もNo,1ディスプレイ賞をとっていました。この蝶のデザインは124色も使っていて注目の的だったけど、大きい面積ではちょっと難しそうだけどポイント使いに良さそうですね。写真30

ヒデキ:ハイエンドの雄、エリティスの今年の新作壁装材。タイの古い家の廃材から削り出されたこの壁にはトレンドがいっぱい詰まっています。新しい木を使わないRe-made Space、手工業テクニックを使うMaker Space、何よりもこの壁を貼る事によるショールーム感(後で出て来るメゾンのトレンド)から言っても、使ってみたい部材No,1だね。写真31

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越川:他にもインドのサリーを再利用したり、天然の貝を着色せずに使ったり、今のハイエンドブランドのあるべき姿を見た気がしますね。きっと新しい材料で大量生産した方が安いのだろうけど、それらを使う事でその壁にストーリーが生まれるし、デザインのもう一つ上を行っている感じがします。

ヒデキ:今年30周年を迎えたオズボーン&リトルでは、MANAROLAとPALAZZOの北イタリアをフューチャーした2つの新作が特に目につきました。特にこのマナローラの街並みを描いた生地には、車の入れないエコな街、太陽の降り注ぐリビエラの街のイメージやストーリーがそのまま乗っていて、デザインモチーフのチョイスやストーリー立てが上手いよね。写真32

越川:それでは続いて、ファブリック以外のインテリアの総合見本市、メゾン・エ・オブジェの会場を見ていきましょう。
先ずはメゾンが提案する今年のトレンド「SHOW-ROOM」。ハイムに続いて、メゾンでも社会派トレンドで、しかも似たような内容で驚きましたね。写真33

ヒデキ:インターネットで絶えず外とつながってて過度に情報を得た新しい世代の消費者は、インスタグラム等で自分の発見やそれを使ったライフスタイルを発信し続けてて、しかも彼らのインフルエンサーとしての発信や意見がマーケットをつくったりして、すでにブランド側が無視できないマーチャンダイザーになっているって言うのが[SHOW-ROOM]の概念なんだよね。

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越川:作り手と消費者の関係性がガラッと変わった事を認識して、作り方、デザイン、売り方、全てを変えて適応して行かなくてはならないんですね。

ヒデキ:2017年ハイムトレンドでSNSの活用「story・telling」がうたわれてたんだけど、僕たちが長期的に消費者とつながるためにもっと深いレベルで繋がらなければいけないんだよ。僕たちのストーリーを紹介するだけでなく、好きになってもらって、コメントしたり、貢献したり、とにかく参加してもらう。いわば観客に演劇の役割と舞台を与える「story・living」が大事なんだよ。

越川:昨年のハイムと今年メゾンのトレンドセッターが語っている「story・living」は凄く似ているんですよね。現代人へのアプローチとして、自撮りした写真や旅行先の景色や食べた物、買った物など、喜びや感動を皆で共有したいと発信している現代人の行為、「ナルシシズム」に訴える必要があると。写真34

ヒデキ:ジャスティンにシェアされた事で始まったピコ太郎ブームが、他人のSHOWROOMにピックされる事の大切さを物語ってるよね。ただ大事なのはここからで、その後世界中のTVに言葉が通じないのにもかかわらず出演し絶賛されたエンターティナーとしての本質的な力量と絶えずオーディエンスとのタッチポイントを作り続け、彼らの中でストーリーを生き続けさせる事ができたという事が、マスターピースなんだよ。

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越川:それでは展示ホールを見て行きましょう。やはりここでもラグジュアリーなトロピカルが全盛でしたね。中でもちょっと毒々しい位のこんなトロピカルのアレンジに凄く今を感じるし、目を引かれました。写真35

ヒデキ:孔雀、ヤシ、壁のグリーンと赤の組み合わせ、テーブル上のランプシェードの後ろのパーティションなど、トレンドてんこ盛りって感じだね。
同じくFancyで、さらに今年っぽいトロピカルならこれ。グリーンモチーフがサボテンや多肉茎植物、モンステラやオーガスタを使っているのだけど、家具がトランスポート感のあるサファリツアーっぽかったり、キャンドルケースやアニマルアクセントを上手く使っている所がにくいね。写真36

越川:今年はサボテンが本当に多かったですよね。とにかく南国系は外せない、という意味ではこの設えなんかも典型的な感じがします。こういうシンプルで上品なインテリアにも一つオーガスタを置くだけで、トレンド感が出ちゃいますね。写真37

ヒデキ:去年以上に今年はグリーンプランツが大事だよね。ウォールアクセントとしてはミラーが良く使われていたのだけど、特にこの六角形のミラーは一昨年のプロテクト、昨年のプラネタリー、今年のショールーム(ナルシシズム)の概念にバッチリ合っていて、多数枚で飾る所もトレンドど真ん中だよね。写真38

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越川:ミラーはナルシシズムという意味でも今年特に上手く使っていきたいですね。更にこれはバックのクロスがアールデコで、今のラグジュアリーが上手く表現されていましたね。

ヒデキ:「目」というモチーフがヒットしている様です。ナルシシズムやショールームというトレンドの象徴なのもあるのだけど、フィレンツェのグッチ美術館のフラッグに使われていたり、パリのセレクトショップの設えに使われていたりとリアルに流行っているという感じがしたんだよね。このジョナサンアドラーの額も、スパンコールと刺繍を上手に使ってバックの壁も相まって、懐かしい感じもするんだよね。写真39

越川:ちょっとサイケデリックなモチーフだから、ワンポイントでもピリッと辛いスパイスとして効果的ですね。
それから今年もミネラルモチーフは多く見られたのだけど、こういう丸い石の天板に華奢なスチールの脚の組み合わせというのは、中でも多く見られましたね。写真40

ヒデキ:最近増えている丸テーブルも進化していて、素材やサイズも豊富に揃ってきたから、こういう組み合わせを自由にできる様になったのも人気の理由かな?個人的にはもう少しラグジュアリーな設えで使うと面白いと思うんだけど。
コーディネートで目新しいと思ったのはこれ。クラフト感のある彫りのチェストの後ろに、サイケ調のクロスを合わせていて、アクセサリーはアールデコ。一見無茶苦茶に見えるのだけど、彫り物のアニマルとクロスの中の南国系動植物、ペンダントとチェストのクラフト感が揃えられていて、アクセサリーのアールデコが泥臭さを消している。写真41

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越川:今のはかなり上級編ですけど、もう少しわかりやすいコーディネートのお手本としてはこれ。ゴールドのアールデコ+丸い石のテーブル、リーフグリーンのベルベットのソファ、ジオメトリックのラグにパーテーションの組み合わせ。シンプルな中に上手く今が詰まっていますね。写真42

ヒデキ:このソファの様なビックフォルムもインテリアとファッション共通のトレンドなんだよね。そういうものをもう一つ挙げるとしたらフリンジかな?ボクの世代には懐かしい物も20~30代には超新しいというのがエイジレスなんだよね。無地のカーテンに付けるだけで見える世界が変わる魔法のアクセサリーだよね。写真43

越川:ボクはむしろカーテンに使わない所に新しさを感じちゃうんですけどね。ファッションでも凄く多く使われるようになったし、家具や照明にも良いですよね。
照明と言えば、今年は特に、こういった球体の組み合わせが凄く多かったですね。写真44

ヒデキ:有名デザイナーの一本吊りよりも多灯で合わせたり、違う物を組み合せたりして、自分の空間を作るという事に嗜好が向いているんだろうね。
インダストリアル系の照明も相変わらず人気でプルーヴェやフィンユールを彷彿させるフォルムの物が目につきました。この系統もやっぱり洗練されてきているんだね。写真45

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越川:インダストリアル系と言えば、カラヴァジオで世界的大ヒットを飛ばした、デンマークのセシリエ・マンツがデザイナー・オブザイヤーを受賞していましたね。綺麗めインダストリアル系照明の代表格と言っても良い位になったし、この手のデザインが定着したのは彼女の功績も大きかったですね。写真46

ヒデキ:元々工場や工事現場の中古照明から起こったムーブメントなんだけど、その雰囲気を残しつつ、やっぱり新しい物を指示する層が多いんだよ。
籠編系の照明もここ数年段々洗練されてきて使いやすくなってきたんだよね。個人的には洗練され過ぎると面白みが減った気がするけどね。写真47

越川:今年はこれ位うっそうとしたジャングルを思わせる程のグリーン使い、多灯使いで盛り付けると面白みが出るし、今っぽさが出ますよね。本当にあちこちでこの「URBAN OASISスタイル(ハイムトレンド)」が良く見られました。既にパリの街中でも、この手のスタイルのレストランとか多かったですよね。

ヒデキ:多かったと言えばパーテーション。移動できる間仕切りとして、アートピースとしても今のライフスタイルにバッチリ合うんだよね。色々なデザインの物をよく見ました。写真48

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越川:今年の色の傾向はどうでしょう?ボクは何だかんだ言っても、今年もやっぱりソフトピンク系が目につきました。特にラグジュアリー系で良く使われていましたよね。写真49

ヒデキ:元々日本人が好きな色なんだけど、単色で使うよりはグリーンやブルー、この写真の様にアニマルを合わせて、甘すぎにならない様にピリ辛で使うのがベターだね。ペールグリーンも多かったのだけど、今年はこの位深いグリーンも使っていきたいな~。写真50

越川:深いグリーンは正に今年って感じでいいですよね。個人的にはこれにパープルとゴールドを合わせたいところだけど、なかなか受け入れてもらいにくいかもしれないですね。

ヒデキ:段々日本企業の出展も増えているのだけど、IBN紙面でもおなじみの夏水組
の坂田夏水さんが新しいデザインと日本の伝統工芸、襖紙とのコラボレーションは、工芸に伝統のあるヨーロッパでも認められていた様です。写真51

越川:大盛況だった様ですね。ジャパンデザインというトレンドもあるし、インテリアデザイナーがデザインしているだけあって、インテリアとしてもアートとしても、すぐに使ってみたいと思わせるだけの完成度も素晴らしい。輸出業務は壁紙屋本舗でおなじみの㈱フィルさんが担当するそうなのだけど、両者には同じ業界人としても友人としても頑張ってほしいですね。

ヒデキ:ファッションや日本食や建築が世界で認められている中、デコレーションも必ず受けるはずなんだよね。ぜひ若い人たちには海外に出て行ってもらいたい。チャンスはあると思うんだよね。

越川:昨年までに挙がったトレンドモチーフが、一層洗練されて高級志向に向かっている印象が強かった今年のデコオフとメゾン・エ・オブジェ。インターネットで簡単にモノや情報が手に入る今だからこそ、進化したユーザーに対して我々はより高い次元の驚きや完成度が必要とされています。SNSで自分の部屋を発信したくなる程エモーショナルに訴えるには、ユーザーの期待値を上回らなければならないけど、外し過ぎても受け入れてもらえない。その為にはトレンド感をしっかり身に着けた上での独自性が必要だから、勉強とチャレンジを怠らない様にしていきたいと思います!

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